この研究は、シナプス機能に関する細胞生物学的研究である。シナプス活性化によるグルタミン酸作動性シナプスの長期修飾の誘導は、シナプス活性化周波数に依存することを踏まえ、シナプス前およびシナプス後の同時スパイキングの反復刺激により発達中のラット海馬のGABA作動性シナプスに誘導される長期修飾も周波数依存的であることを確認した。20〜50 Hzでのスパイクはシナプス増強をもたらし、5Hzでのスパイクはシナプス抑制をもたらした。増強はGABA(B)受容体のブロックにより消失したが、抑制はGABA(B)受容体活性化とは無関係であったが、GABA(B)受容体活性を高めると、抑制は増強に変換された。その他にも多数の知見を総合して、GABA(B)受容体の活性化が周波数依存的であること、シナプス後GABA(B)受容体の活性化は、発達中のGABA作動性シナプスの周波数依存的な増強を仲介することが示された、と報告している。
本稿は、シナプスの可塑性を扱う。シナプスは活性に依存した本稿は、シナプスの可塑性を扱う。シナプスは活性に依存した超微細構造の変化を経験する。シナプス接続のこれらの変化はシナプス可塑性と呼ばれ、これは学習及び記憶プロセスの基礎である。
本研究の狙いは、海馬CA1錐体細胞上で発達中のGABA作動性シナプスの周波数依存性の長期的なシナプス改変におけるGABAB受容体の役割を調査することであった(シナプス刺激の周波数は、興奮性シナプスの長期的な改変の極性の判定に重要である)。
著者らの関心は、GABA作動性シナプスが活動に依存して大幅に洗練される期間である、出生後の最初の数週間における発達中のラット海馬シナプスに絞られた。
GABAB受容体の大半はシナプス外の部位に存在し、高頻度のGABA作動性シナプス活動の際のGABAの溢出によって活性化され得る。活動によって生じたシナプスの改変は、誘発された神経伝達物質の放出量、または放出された神経伝達物質に対するシナプス後応答、あるいはその両方に帰することができる。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
1–50 Hz
ばく露時間:
100 pulses
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周波数 | 1–50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 100 pulses |
Additional information | presynaptic spikes: pulse width = 100 µs postsynaptic spikes: pulse width = 2 ms |
ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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参照 | - | - | - | - | I = 5 - 100 µA for presynaptic spikes |
参照 | - | - | - | - | I = 2 mA for postynaptic spikes |
このデータは、反復的、同時発生的なシナプス前及びシナプス後スパイク(即ち、シナプス前及びシナプス後細胞の同時刺激)によって生じる、発達中のラット海馬のGABA作動性シナプスの長期的な改変は、周波数依存的であることを示している。20-50Hzでのスパイクはシナプス増強を生じ、5Hzでのスパイクはシナプス抑制につながった。長期増強は薬理学的ブロッキングGABAB受容体によって無効化された一方、抑制はGABAB受容体の活性化に依存せず、GABAB受容体の活性の上昇によって増強に変換することができた。
増強は、活性化したシナプスの近傍のNa+/K+/2Cl-共輸送体活性の局所的なシナプス後の増加に帰することができた。シナプス後Ca2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼIIの活性は、これらの発達中のGABA作動性シナプスの長期増強に必須であった。
GABAB受容体の活性は周波数依存的であるというデータをまとめると、これらの結果は、シナプス後GABAB受容体の活性化は、発達中のGABA作動性シナプスの周波数依存性の増強を媒介することを示している。この結果は、発達中のGABA作動性シナプスの長期的なシナプス可塑性のシナプス後制御のためのGABAB受容体の機能についての知識を拡張するものである。
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