[携帯電話と脳及び聴神経の腫瘍:フランスにおけるINTERPHONE症例対照研究] foreign-language

[Cell Phones and Risk of brain and acoustic nerve tumours: the French INTERPHONE case-control study]

掲載誌: Rev Epidemiol Sante Publique 2007; 55 (5): 321-332

【背景】携帯電話の使用は、それがフランスに初めて登場した1992年以降、劇的に増加している。ある種の電磁場(極低周波数)は国際癌研究機関によって発癌性の可能性があると見られている。携帯電話における無線周波数技術の使用を考えた場合、携帯電話数の急速な増加は潜在的な健康被害への不安を引き起こしている。携帯電話使用と頭の腫瘍の発達との関係性を調べるため、国際癌研究機関によって調整された多中心性国際的調査(INTERPHONE)が13カ国で行われた。【方法】INTERPHONE Studyは、脳及び中枢神経系腫瘍神経膠腫髄膜腫脳神経腫)に焦点を当てた調査である。2001年2月~2003年8月に原発性腫瘍と初めて診断された、パリ及びリヨンに住む30~59歳の男女の症例が適格者とされた。診断は全て、組織学的確認または明確なエックス線写真に基づいて実施した。対照は、選挙人名簿から無作為抽出し、性別、年齢(±5歳)、居住地について症例とマッチさせた。被験者についての詳細な情報は、コンピュータ支援の下で対面式聞き取り調査により得た。条件付きロジスティック回帰を用いて、携帯電話の使用と各種のがんとの関連についてのオッズ比OR)を推定した。【結果】携帯電話の定常的使用は聴神経腫(OR=0.92;95%信頼区間(CI)=0.53-1.59)、髄膜腫OR=0.74;95%CI=0.43-1.28)、神経膠腫OR=1.15;95%CI=0.65-2.05)のリスク上昇と関連していなかった。これらの関連は統計的に有意ではなかったが、最も多く使用していたユーザー(使用期間が長いユーザー、通話時間が長いユーザー、通話回数が多いユーザー)における神経膠腫リスク上昇についての全般的な傾向が観察された。【結論】本調査に参加した携帯ユーザーにおいて、神経膠腫髄膜腫神経腫の有意なリスク上昇は観察されなかった。しかし、本調査の統計検出力には限界がある。本調査の結果は、最も多く使用していたユーザーにおけるリスク上昇の可能性を示唆しており、このことはINTERPHONE Studyの国際的な分析において確認する必要がある。

ばく露

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