<内容> (1)対象・米国コロラド州デンバーの住民から1976~1983年の間に診断された15歳未満のがん患者356名と年齢、性別、居住地のマッチした同数の対照群を無作為ディジットダイアリングにより選択した。 (2)曝露評価 ・面接調査 ・電界および磁界測定 ・ワイアコード①オリジナルのWertheimer-Leeperの2分法のワイアコード ②オリジナルのWertheimer-Leeperの5段階のワイアコード ③改良型Wertheimer-Leeperの3段階のワイアコード <結果>・改良型Wertheimer-Leeperコードと関連したがんのリスクの解析から、5段階のワイアコードの解析に基づいた結果より正確で、二分法コードに基づいた結果よりはるかに顕著に上昇したORが得られた。LWCと比較した場合、HWCでは全がんがほぼ2倍のリスクの上昇を示し、特に強い関連性を示したのは白血病(OR=2.9、95%CI:1.5-5.5)および脳がん(OR=2.9、95%CI:1.1-5.5)であった。・MWCをLWCと比較すると、全がんについては関連性は認められなかったが、白血病および脳がんの症例は僅かな関連性を示した(ORはそれぞれ1.3および1.2)。基本的に、リスクの上昇はHWC群に限定されていた。
Wertheimer-Leeperの手法は5つのカテゴリーで構成される:地下、非常に低い電流配置(VLCC)、一般的な低い電流配置(OLCC)、一般的な低い電流配置(OHCC)、非常に高い電流配置(VHCC)。これらのカテゴリーは、低い(地下、非常に低い、一般的な低い)及び高い(一般的な高い、非常に高い)ワイヤ・コードに二分された。本研究で分析した改変ワイヤ・コードは、測定された界との関連に基づいて導出した。改変ワイヤ・コードの3つのカテゴリーは、高ワイヤ・コード(HWC、送電線または三相の主線から20m以内の住居)、中ワイヤ・コード(MWC、HWCではないが、送電線または三相の主線から46m以内、あるいはオープンの二次線から26mの住居)、及び低ワイヤ・コード(LWC)である。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | Wertheimer-Leeperの方法、ワイヤ・コード:地中配線 |
集団 2 | Wertheimer-Leeperの方法、ワイヤ・コード:非常に低い電流 |
集団 3 | Wertheimer-Leeperの方法、ワイヤ・コード:一般に低い電流 |
集団 4 | Wertheimer-Leeperの方法、ワイヤ・コード:一般に高い電流 |
集団 5 | Wertheimer-Leeperの方法、ワイヤ・コード:非常に高い電流 |
参照集団 6 | ワイヤ・コード:低 |
集団 7 | ワイヤ・コード:高 |
参照集団 8 | 改変されたワイヤ・コード:低(LWC) |
集団 9 | 改変されたワイヤ・コード:中(MWC) |
集団 10 | 改変されたワイヤ・コード:高(HWC) |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 356 | 378 |
参加者 | 252 | 222 |
改変ワイヤ・コードは、低ワイヤ・コード分類に対して、高ワイヤ・コードで厳密なリスク推定値の上昇を生じた。子どものがん、白血病及び脳腫瘍についてのオッズ比は有意に上昇した。潜在的交絡因子を調査し、一般的に存在しないことがわかった。
小児がんとワイヤ・コードについてのデータの再分析では、当初のWertheimer-Leeperの方法に関して、改変ワイヤ・コードについて、より強い関連が示された。
本研究での対照の参加率の違いによる選択バイアスが排除できない。
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