<目的>NHLは1940年代より150%も増加する傾向にあり、これが電力発 電と消費の増加に伴う磁界曝露が原因かどうかはわからないが、電気的職業では増加することがこれまで全体的な傾向として報告されてきた。しかし個々の曝露アセスメントを行った新しい研究ではこれは確認されていない。この疑問点の知見を得るために、この研究は米国の5大電力会社従業員の疫学調査データを利用して、NHLとそれに関連するがんであるホジキン氏リンパ腫と多発性骨髄腫による死亡を磁界曝露との関連で検討した。 <方法>対象とした電力従業員の死亡者20,068名(96.8%)について死亡診断書を調査し、訓練した専門家が病気の分類を判断した。非ホジキン氏リンパ腫(NHL)を二つに分け、慢性リンパ細胞性白血病はlow-grade lymphomaに、細網肉腫(reticulosarcoma)、リンパ肉腫(lymphosarcoma)など悪性リンパ腫といわれるものをintermediate/high-grade lymphomaに分けた。磁界曝露アセスメントは28に分けた対象者の職種と雇用期間によって、職業ー曝露マトリックスによる曝露量の推定を行った。 <結果>磁界曝露を伴う仕事に従事した期間(20年間まで)とすべてのNHL及びlow-grade lymphomaとの間には弱い相関関係が見られた(表2)。累積磁界曝露は始め上昇してさらに下降するNHLのリスクと相関していた(表4)。intermediate/high-grade lymphomaの危険比は生涯の累積曝露の最高レベルについては増加した。そして過去に10-20年間曝露を受けていた場合に最高であった(表4)。ホジキン氏リンパ腫と多発性骨髄腫の死亡率は磁界曝露とは相関していないように思われた(表3)。NHLのサブグループでは相関が最も大きく、このことはサブグループによる解析が必要であること、量ー反応の傾斜が見られないことから、その相関が因果的な関係を表している可能性は少ないと述べている。
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