<目的>前頭葉と海馬にはコリン作動性神経系が豊富にあり、生理、行動機能に重要な働きをしている。Lai et al(1993)は60Hz、≧0.75mT、45分曝露でこれら二領域のコリン作動神経系の活動が低下することを報告した。本研究では曝露強度と期間を変えて研究をさらに発展させた。 <対象・方法>雄SD系ラット、8:00-12:00hの間に実験。3種の曝露実験;1)60分曝露とし、強さを0.5、1.0、1.5、2.0mTに変えた。2)1.0mTを30、45、60、90分間曝露、3)3時間、0.5、0.1、0.05mT。曝露終了後直ちに断頭し、前頭葉と海馬を切り出しシナプトゾームによるsodium-dependent high-affinity choline uptakeを測定し、コリン作動神経系活動の指標とした。 <結果>1)の実験の結果を図1に示す。前頭葉(a)、海馬(b)ともに2.0mTの強さで有意差がみられる。2)の実験結果を図2に示す。90分曝露で有意差がみられる。3)の実験結果を図3に示すが、3時間曝露するとすべての強さで有意に減少した。曝露強度と期間は影響しあう。磁界が神経機能に影響するメカニズムと神経解剖学的経路はまだ不明である。
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