[Wi-Fiルーターから放せられる電磁放射にばく露したラットの認知機能、脳損傷、神経伝達物質レベルに対する2つの有酸素トレーニングプロトコルの比較効果] med./bio.

この研究は、電磁放射（EMR）によって誘発した脳損傷と認知障害に対する、水泳運動 (SE) とトレッドミルランニング (TR) の効果を、ガンマアミノ酪酸（GABA）とセロトニンに焦点を当てて調べた。雄のWistarラット36匹を、対照群、EMRばく露群、SE群、TR群、EMRばく露＋SE群、EMRばく露＋TR群（各群n = 6）の6群に無作為に割り付けた。ラットを、Wi-Fi 2.45 GHzルーターからの EMRに4時間／日ばく露し、TR (25-35分／日、5日／週) または SE (30分／日、5日／週) を4週間行った。最後の介入後、モリス水迷路を実施し、その後海馬組織を採取して、ウェスタンブロット分析と組織病理学的評価によりGABAとセロトニンの発現を評価した。その結果、EMRばく露により、神経炎症、神経細胞死、細胞破壊、学習および記憶障害が誘発され、対照群と比較してセロトニンが大幅に減少し、GABAが大幅に増加した (P < 0.05)。しかし、EMRばく露＋SE群とEMRばく露＋TR群では、EMRばく露群と比較して脳損傷が著しく軽減され、学習および記憶の低下が部分的に改善された。EMRばく露＋SE群とEMRばく露＋TR群の間に有意差は認められなかった。4週間のEMRばく露により、組織病理学的変化が誘発され、セロトニンが減少し、GABAが増加した。SEとTRはEMR誘発性の脳損傷と認知障害を改善する可能性があるが、両方のトレーニングプロトコルではセロトニンとGABAの発現を変えることはできなかった、と著者らは報告している。