この研究は、0.9 GHzの電磁界にばく露した雄ラットの腎組織におけるレニン・アンギオテンシン系(RAS)と組織学的および生化学的変化との関係を調べた。21日齢の雄ラット12匹を対照群とばく露群に無作為に割り付け、ばく露群を生後21-45日までの間(1時間/日、25日間)0.9 GHzにばく露した。実験後に組織を摘出し、生化学的および組織病理学的方法で評価した。その結果、ばく露群では、腎組織の体積と重量、全体重が増加した。ばく露群の腎組織では、脂質過酸化、グルタチオン、カタラーゼ、およびスーパーオキシドジスムターゼも増加した。組織病理学的評価では、皮質/髄質の出血/閉塞および広範囲の線維化、遠位および近位尿細管の拡張、空胞化、変性、減少および異型の壁細胞、および上皮細胞の変性が認められた。更に、マルピギ体の拡張および変性した糸球体、ボーマン膜の変性および血管極、ポドサイト、小脚、およびメサンギウム細胞の変性も観察された。ばく露の結果、酸化ストレス、組織の体積と重量が増加し、組織病理学的変化が腎組織におけるRASを引き起こす経路の形成を引き起こした。0.9 GHz電磁界への長期ばく露はラットの腎臓でレニン・アンギオテンシン系を活性化させる可能性があり、そのような活性化は腎組織で起こる構造的、組織病理学的、生化学的変化と関連していると考えられる、と著者らは結論付けている。
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