この研究は、出生前ストレス(PS)および超低周波(ELF)電磁界が成体の雄の仔ラットの空間記憶、血清コルチコステロン、脳由来神経栄養因子(BDNF)濃度、および海馬BDNFレベルに及ぼす影響を調べた。雌のWistarラットを無作為に4群(n = 6)(対照群、PS群、ELFばく露群、PS+ELFばく露群)に割り付けた。妊娠前21日間および妊娠中21日間(合計42日間)に介入を行った。出生後90日目(PND)に子孫の空間記憶をモリス水迷路で試験し、血清コルチコステロンおよびBDNFレベルをELISA法で測定し、海馬BDNFレベルをウエスタンブロッティングで測定した。その結果、PSは成体の雄の仔の空間記憶に影響を及ぼさなかったが、血清コルチコステロンレベルは対照群およびELFばく露群と比較して有意に(P<0.05)増加した。PS+ELFばく露群では、記憶獲得段階が乱された。血清および海馬BDNFレベルは、PS群と比較してばく露群で有意に(P<0.05)増加した。これらの知見から、PSは空間記憶に影響を及ぼさずに血清コルチコステロンレベルを増加させる可能性がある。しかし、PS+ELFばく露は、コルチコステロンレベルに変化を与えずに空間記憶に破壊的な影響を及ぼす。PSと比較して、出生前のELFばく露は血清および海馬BDNFレベルを増加させる。これらの結果の根底にあるメカニズムを解明するためには、さらなる研究が必要である、と著者らは結論付けている。
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