[短期および長期の2100 MHz高周波放射はラットの精巣に小胞体ストレスを生じる] med./bio.

この研究は、高周波放射（RFR）ばく露がラットの精巣機能に及ぼす影響における小胞体ストレス（ERS）の役割を調べた。雄ラットにおいて5つの実験群：対照群、2100 MHz RFRへの短期ばく露群（1週間）、短期擬似ばく露群（1週間）、2100 MHz RFRへの長期ばく露群（10週間）、および長期擬似ばく露群（10週間）を設定した。ERSマーカーであるGrp78およびリン酸化PERK（p-Perk）のレベルと、ERS関連のアポトーシスマーカーであるChopおよびカスパーゼ12を、免疫組織化学、免疫ブロッティング、および定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応（qPCR）で調査した。その結果、長期ばく露はGrp78、p-Perk、およびChopのレベルを増加させ、短期ばく露はChopおよびカスパーゼ12のレベルを上昇させた。Chopの発現は精母細胞および一次精母細胞では観察されず、これがRFR誘発ERSによるアポトーシスから精母細胞および一次精母細胞を保護し、次世代への遺伝物質の伝達を可能にする可能性がある。短期および長期のRFRばく露がERSおよびERS関連のアポトーシス経路を引き起こす一方で、このRFR誘発アポトーシスが長期的な男性不妊症の影響を持つかどうかを明らかにするためには、さらなる機能的解析が必要である、と著者らは結論付けている。