<目的>てんかんに関しては磁界は、そのパラメータによりてんかん或いは痙攣の種類によって鎮める効果も、引き起こす効果もあると報告されている。送電線の周波数(50Hz,60Hz)の磁界に慢性的に曝露されるとてんかん患者の脳神経細胞の活動に影響し、さらに痙攣の頻度、重症度に影響するのではないかと考え本実験を行った。 <対象・方法>雌Wistar系ラットを用いた。kindling電極は手術により右扁桃核に固定。手術後2週間の回復期間経過後、500μA、1ms、50/s単相性矩形波を1秒間、1日おきに加えfully-kindled seizure(stage5)が10日連続観察されるまで続けた。kindlingが完成した後after dischargeが少なくとも3秒間続くafter discharge threshold(ADT)を15μAから始め約20%ステップで上げていき決定した。急性実験においては1μTあるいは100μTを1-2時間曝露し、慢性実験においては手術後1週間1μTその後100μTをkindlingが完成するまで、24時間/日、7日/週、8週続けた。電気刺激は手術後2週から始めた。 <結果>急性曝露実験では図1に示すように何らの影響もない。慢性曝露の効果は図2に示すようにADT,GDTともに曝露群の方が高くなり、電気刺激に対する感受性が低下することを示す。kindling成立への磁界の効果は図3に示すように対照群との間に有意差はみられなかった。表1は各stageにまで達する刺激数に有意差はないが、after discharge durationは各stageで曝露群が短くstage5では有意差のみられることを示す。痙攣の持続時間はstage3で曝露群が有意に短い。 <結論>磁界曝露群にはkindlingに対し弱い抑制効果がある。
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