先行研究では、超低周波(ELF)電磁界がDNAメチル化のレベルに影響を与える可能性が示されている。この研究は、ELF電磁界が着床期間中のブタの子宮内膜での遺伝子発現のエピジェネティックな調節に変化を生じるかどうかを調べた。妊娠15-16日目に採取した子宮内膜スライス(100 ± 5 mg)を50 HzのELFにイン・ビトロで2時間ばく露した。子宮内膜のDNAメチル化、ヒストン修飾、およびマイクロRNA生物生成に関与するエピジェネティックな規制要素に与える影響を決定するために、DNMT1およびDNMT3a;EZH2、UHRF1およびMBD1;DICER1およびDGCR8 mRNAトランスクリプトとタンパク質の豊富さを、それぞれリアルタイムPCRおよびウエスタンブロットを用いて分析した。更に、EEDおよびSUZ12 mRNAトランスクリプト、グローバルDNAメチル化、およびヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の活性を分析した。その結果、ELF電磁界によって子宮内膜で誘発されたDNMT1およびDNMT3a、EZH2 mRNAトランスクリプトおよびタンパク質、EEDおよびSUZ12 mRNAトランスクリプト、グローバルDNAメチル化レベル、HDAC活性、およびマイクロRNA生物生成に関与するタンパク質の豊富さの変化が認められた。観察された変化は、ELF電磁界ばく露された子宮内膜のトランスクリプトームプロファイルの変化の理由であり、これが着床期間中の子宮内の生物学的プロセスを乱す可能性がある、と著者らは結論付けている。
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