[マイクロ波放射によって生じるiPS細胞由来分化心筋細胞の損傷におけるコネキシン43の役割] med./bio.

Role of Cx43 in iPSC-CM Damage Induced by Microwave Radiation

掲載誌: Int J Mol Sci 2023; 24 (16): 12533

この研究は、細胞損傷モデルとして人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来分化筋細胞(iPSC-CM)を用いて、マイクロ波照射後のiPSC-CM損傷生物学的影響とメカニズムを調べた。損傷をモデル化するために、iPSC-CMを4群に分け、平均電力密度30 mW/cm2のSバンド(2.856 GHz)およびXバンド(9.375 GHz)マイクロ波放射源に単独または複合ばく露した。その後、フローサイトメトリーで細胞活性を検出し、酵素結合免疫吸着法(ELISA)で培地中の心筋酵素および傷害マーカーの含有量を検出した。その結果、マイクロ波照射後は細胞活性が低下し、心筋酵素および傷害マーカーの含有量が増加した。透過型および走査型電子顕微鏡検査では、細胞膜ミトコンドリア、介在板(ID)の超微細構造損傷が認められた。ばく露後、ミトコンドリアの機能が異常になり、解糖能力が低下した。iPSC-CMの電気伝導機能に異常が認められた。伝導速度が減少し、脈動振幅が減少した。ウェスタンブロット法、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)、および免疫蛍光検出では、コネキシン43(Cx43)の発現が減少し、ギャップ結合部での Cx43の分布の乱れが認められた、と著者らは報告している。

ばく露