この研究は、初期発生段階(8、15、22、29日齢)のSprague-Dawleyラットの海馬CA1領域における長期増強(LTP)の持続性に対する、15 Hz、2 mTの超低周波(ELF)電磁界の影響を、電気生理学的手法で調べた。その 結果、ELF電磁界は日齢差によりLTP持続性を差次的に阻害し、日齢が若いほど阻害効果がより顕著であることが示された。また、LTP持続性に対するELF電磁界の阻害作用は、2-アミノエトキシジフェニルボレート(2-APB)
を添加して細胞内カルシウム貯蔵に局在するイノシトール-1,4,5-三リン酸受容体(IP3 R)をブロックし、LTP持続性を低下させると消失した。細胞内カルシウム濃度([Ca2+]i)は、ELF電磁界によって調節されるLTP持続性がIP3 Rs媒介の細胞内カルシウム貯蔵と関連していることを証明している。最後に、[Ca2+ ]i のレベルは、細胞外カルシウム濃度([Ca2+ ]e)を調整することによって介入された。15日齢群におけるLTP持続性に対する ELF電磁界の阻害作用は、[Ca2+ ]e の増加によって消失したが、29日齢群におけるLTP持続性に対する阻害作用は、[Ca2+ ]e を減少させることで現れた、と著者らは報告している。
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