[細胞内カルシウム濃度レベルの変化は超低周波電磁場によって誘発される海馬の長期増強の加齢に伴う阻害を伴う] med./bio.

Changes in intracellular calcium concentration level accompany age-related inhibitions of Long-term potentiation in hippocampus induced by Extremely low frequency electromagnetic fields

掲載誌: Eur J Neurosci 2023; 58 (2): 2437-2450

この研究は、初期発生段階(8、15、22、29日齢)のSprague-Dawleyラット海馬CA1領域における長期増強LTP)の持続性に対する、15 Hz、2 mTの超低周波(ELF)電磁界の影響を、電気生理学的手法で調べた。その 結果、ELF電磁界は日齢差によりLTP持続性を差次的に阻害し、日齢が若いほど阻害効果がより顕著であることが示された。また、LTP持続性に対するELF電磁界の阻害作用は、2-アミノエトキシジフェニルボレート(2-APB)
を添加して細胞内カルシウム貯蔵に局在するイノシトール-1,4,5-三リン受容体IP3 R)をブロックし、LTP持続性を低下させると消失した。細胞内カルシウム濃度([Ca2+]i)は、ELF電磁界によって調節されるLTP持続性がIP3 Rs媒介の細胞内カルシウム貯蔵と関連していることを証明している。最後に、[Ca2+ ]i のレベルは、細胞カルシウム濃度([Ca2+ ]e)を調整することによって介入された。15日齢群におけるLTP持続性に対する ELF電磁界の阻害作用は、[Ca2+ ]e の増加によって消失したが、29日齢群におけるLTP持続性に対する阻害作用は、[Ca2+ ]e を減少させることで現れた、と著者らは報告している。

ばく露