[雌ラットにおける不安様行動に対する出生前のストレスおよび超低周波電磁界の影響:前頭前皮質および海馬に重点を置いて] med./bio.

Effect of prenatal stress and extremely low-frequency electromagnetic fields on anxiety-like behavior in female rats: With an emphasis on prefrontal cortex and hippocampus

掲載誌: Brain Behav 2023; 13 (4): e2949

出生前ストレス(PS)は社会不安などの心理的影響を生じる問題のある状況である。この研究は、不安行動におけるPSと超低周波(ELF)電磁界との相互作用を調べた。40日齢の雌ラット24匹を、対照群ストレス群(母ラットストレスばく露)、電磁界群(母ラットをELF電磁界ばく露)および電磁界ストレス群(母ラットストレス電磁界の両方にばく露)に割り付けた。高架十字迷路試験およびオープンフィールド試験を用いて分析した。海馬のアンモン角1(CA1)および歯状回(DG)ならびに前頭前皮質(PFC)における成長関連タンパク質(GAP)-43、脳由来神経栄養因子BDNF)、およびカスパーゼ-3(cas-3)の発現を、免疫組織化学で検出した。全ての処理群で不安行動が増加した。電磁界ストレス群では、より深刻な不安行動が認められた。全ての処理群で、PFC、DGおよび CA1 でのcas-3の発現上方制御、ならびに、PFC、DGおよびCA1でのBDNFおよびGAP-43の発現下方制御が認められた。組織形態学的研究では、海馬およびPFCにおける広範な神経変性変化が認められた。出生前ストレスおよび/または電磁界ばく露した雌ラットは重度の不安行動を呈し、この過程は海馬のPFCおよびDGにおける神経変性に起因し、シナプス可塑性の低下に起因する可能性がある、と著者らは結論付けている。

ばく露