出生前ストレス(PS)は社会不安などの心理的影響を生じる問題のある状況である。この研究は、不安様行動におけるPSと超低周波(ELF)電磁界との相互作用を調べた。40日齢の雌ラット24匹を、対照群、ストレス群(母ラットをストレスにばく露)、電磁界群(母ラットをELF電磁界にばく露)および電磁界/ストレス群(母ラットをストレスと電磁界の両方にばく露)に割り付けた。高架十字迷路試験およびオープンフィールド試験を用いて分析した。海馬のアンモン角1(CA1)および歯状回(DG)ならびに前頭前皮質(PFC)における成長関連タンパク質(GAP)-43、脳由来神経栄養因子(BDNF)、およびカスパーゼ-3(cas-3)の発現を、免疫組織化学で検出した。全ての処理群で不安様行動が増加した。電磁界/ストレス群では、より深刻な不安様行動が認められた。全ての処理群で、PFC、DGおよび CA1 でのcas-3の発現の上方制御、ならびに、PFC、DGおよびCA1でのBDNFおよびGAP-43の発現の下方制御が認められた。組織形態学的研究では、海馬およびPFCにおける広範な神経変性変化が認められた。出生前ストレスおよび/または電磁界にばく露した雌ラットは重度の不安様行動を呈し、この過程は海馬のPFCおよびDGにおける神経変性に起因し、シナプス可塑性の低下に起因する可能性がある、と著者らは結論付けている。
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