海底電力ケーブルの大幅な増加に伴い、海洋生物に対するケーブルから生じる磁界の影響についての人々の関心が徐々に高まってきているが、軟体動物に対する磁界の影響についての研究はほとんどない。この研究は、海洋軟体生物の生理学的機能に対する磁界の影響を探求するため、地磁気または1.1 Tの静磁界にばく露したウミウシの代謝およびトランスクリプトームの変化を系統的に分析した。その結果、高い静磁界に10日間ばく露したウミウシでは、血糖値および脂質レベル、ならびに抗酸化酵素の活性が有意に上昇し、消化能および肝機能に関連する酵素の活性が低下した。トランスクリプトーム比較分析で、可能性のあるメカニズムを更に調べた。高い静磁界へのばく露後、合計836個の差次的発現遺伝子が同定され、そのうち352個は上方制御、484個は下方制御された。上方制御された差次的遺伝子は主にリソソームおよびアポトーシス経路に集中し、下方制御された差次的遺伝子は主に消化系および免疫系(食作用を含む)に関するものであった。このパターンは、RT-qPCR分析で更に確認された、と著者らは報告している。
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