粒子状物質による大気汚染および/または電磁界はヒトの健康に対して有害であるかもしれないと証明し得る細胞および分子メカニズムは、広範には研究されていない。この研究は、電磁界とブラックカーボン(BC)粒子の複合作用が細胞損傷およびアポトーシス促進反応を生じるかどうかを、非熱的な比吸収率(SAR)レベルの2.45 GHz高周波(RF)放射にばく露したHL-60前骨髄球細胞株で調べた。その結果、RFとBCは、ばく露の最初の8または24時間に、中程度の有意なレベルの細胞損傷を生じ、48時間後に損傷はより大きくなった。また、RFばく露時間およびBCばく露量に伴い増加する明白な抗増殖作用が認められた。酸化ストレスまたは活性酸素種産生は時間(24または48時間のRFばく露)、BCばく露量に伴い、また両者の組み合わせによって増加した。損傷した細胞と健康な細胞では、増殖に有意差が認められた。RFとBCへのばく露は個別に、また共同で、ネクローシスおよびアポトーシスのトリガとなった。24時間のRFおよびBCばく露後、酸化‐抗酸化作用はミトコンドリアの抗アポトーシスBCL2a遺伝子発現を活性化させた。48時間のRFばく露後、FASR細胞死受容体の発現が活性化され、アポトーシス促進現象およびミトコンドリア経路におけるカスパーゼ-3の細胞内活性の発現を促進した。これらは全て細胞死につながる可能性がある。これらの結果は、RFとBCの相互作用はヒト前骨髄球細胞株における免疫応答を変化させ、ネクローシスおよびミトコンドリア‐カスパーゼ依存性アポトーシスに至らしめることを示している、と結論付けている。
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