この研究は、低レベルの2.45 GHzマイクロ波放射が、未成熟のニワトリの精巣の微小環境に酸化ストレスおよび炎症反応を生じ、エストロゲン受容体アルファ(ERα)を調節し、雄の不妊につながるメカニズムを調べた。2週齢の雄のニワトリを非熱的な低レベルの2.45 GHzマイクロ波(電力密度0.1264 mw/cm^2、比吸収率(SAR)0.9978 W/kg)に2時間/日、30日間ばく露した。その結果、精巣の形態計測検査で、精巣の重量、体積および性腺体指数の減少が認められた。また、組織学的染色では精細管直径の減少が認められた。ばく露後の酸化ストレスのパラメータに増加が認められた。ばく露した精巣ではインターロイキン(IL)-1βの免疫反応性の有意な上昇、およびIL-10の免疫反応性の低下が認められた。これは、マイクロ波による酸化ストレスが制御する炎症反応を示している。ウェスタンブロッティングでは、ERα発現の大幅な低下も認められた。精子はフリーラジカル損傷に対して脆弱で、マイクロ波によって生じた酸化ストレスおよび炎症性ストレスの格好の標的臓器となり、よって精巣でのErαの下方制御を介した雄のニワトリの不妊を生じ得るという証拠となる、と著者らは結論付けている。
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