[5G電磁放射はROS産生を抑制することによりイン・ビトロでの皮膚のメラニン形成を軽減させる] med./bio.

5G Electromagnetic Radiation Attenuates Skin Melanogenesis In Vitro by Suppressing ROS Generation

掲載誌: Antioxidants 2022; 11 (8): 1449

この研究は、28 GHzの第5世代移動通信(5G)電磁放射がマウスのメラノーマ細胞(B16F10)および三次元色素性ヒト表皮モデル(MelanoDerm(TM))における皮膚色素沈着を軽減し得ることを報告している。B16細胞をA-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)あり、またはなしで28 GHzの5G電磁放射に4時間/日ばく露した。その結果、5G電磁放射はα-MSHによるメラニン合成を軽減させた。フォンタナ・マッソン染色では、α-MSHで刺激したB16細胞の樹状突起形成が5Gばく露によって減少することが確認された。5G電磁放射の抗メラニン生成作用を確認するため、MelanoDerm(TM)に5Gを10W/m^2で4時間/日、16日間照射し、メラニン分布をフォンタナ・マッソン染色で検出した。その結果、5G電磁放射の抗メラニン生成作用が支持された。5G電磁放射はα-MSHによるメラニン生成酵素チロシナーゼ、TRP-1、およびTRP-2の上方制御を一貫して抑制した。特筆すべきこととして、5G電磁放射はα-MSHおよびH2O2による活性酸素種ROS)産生を抑制した。このことは、5G電磁放射メラニン合成に重要なROS産生を消失させることを示唆している。まとめると、5G電磁放射はROS産生を軽減することで、皮膚色素沈着を軽減し得ることが示された、と著者らは結論付けている。

ばく露