[50 Hz磁界ばく露はNB69神経芽腫細胞における野生型および展開されたp53発現に有意に影響を及ぼす] med./bio.

Field exposure to 50 Hz significantly affects wild-type and unfolded p53 expression in NB69 neuroblastoma cells

掲載誌: Oncol Lett 2022; 24 (3): 295

先行研究では、50 Hz、100 µTの正弦波磁界への間欠ばく露がNB69ヒト神経芽腫細胞の増殖促進することが示されている。この影響には、p38経路のフリーラジカル依存的な活性化を通じた上皮成長因子受容体の活性化が介在している。この研究は、酸化ストレス感受性タンパク質p53が磁界の潜在的な標的であり、磁界ばく露がこのタンパク質発現に影響し得るという可能性を調べた。この目的のため、NB69細胞を50 Hz、100 µTの磁界に30-120分間の短いインターバルでばく露した。野生型p53と展開されたp53を識別する二つの抗p53抗体を用いて、両形態のp53の発現および細胞分布を調べた。p53によって制御される抗アポトーシスタンパク質Bcl-2の発現も分析した。その結果、磁界ばく露野生型p53の遺伝子発現およびタンパク質発現を高めることが示された。また、両形態のp53タンパク質の核/細胞質分布の変化と共に、磁界ばく露は展開されたp53の過剰発現も生じた。Bcl-2タンパク質発現磁界ばく露によって有意に高められた。これらの結果は、磁界はp53タンパク質の機能、分布および立体構造と相互作用し得ることを示しており、先行研究で報告されたNB69の増殖促進に対する磁界の影響にはそのような相互作用が介在している可能性がある、と著者らは結論付けている。

ばく露