磁気共鳴画像撮影において、より高い静磁界ではより高い撮像能が得られることから、20 Tを超える超高磁界のMRIの開発が推奨されるが、これには安全性の問題をクリアすることが前提条件である。但し、20 T超の静磁界ばく露を用いた動物実験は非常に少ない。この研究は、マウス112匹を3.5-23.0 Tの静磁界に2時間ばく露した後、短期的および長期的な行動に及ぼす影響を、平均台、オープンフィールド、高架式十字迷路、三室社会的認知、モリス水迷路の各試験で調べた。その結果、3.5-23.0 Tの静磁界は、平衡感覚および運動活動についての一過性の短期的な阻害を除いて、マウスの運動、不安レベル、社会的行動、または記憶に対して長期的な負の影響を生じなかった。対照的に、抗不安作用ならびに社会的および空間的記憶に対する正の影響が認められ、これは高い静磁界にばく露したマウスの海馬領域におけるCaMKIIレベルの有意な上昇と相関しているようであった。これらの結果から、23.0 Tまでの高い静磁界への短期的なばく露による健康なマウスへの副作用は無視し得るレベルで、気分や記憶に対しては有益なアウトカムさえ生じ得る、と著者らは結論付けている。
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