[電磁界ばく露後のラット海馬に対するアラビアガム、クルクミン（Curcuma longa）およびガルシニアコラの影響：立体的および組織学的研究] med./bio.

この研究は、海馬錐体ニューロンに対する携帯電話から発せられる900 MHz電磁界ばく露（1時間／日、28日間）の潜在的影響、ならびに、その悪影響の低減におけるクルクミン（Cur）［ウコンなどに含まれる黄色のポリフェノール化合物］、ガルシニアコラ（GK）［西アフリカ原産の熱帯果実、抗炎症、抗菌作用があるとされる］およびアラビアガム（GA）［乳化剤や安定剤として用いられる食品添加物］の役割を調べた。12週齢の雄のWistarアルビノラット54匹を無作為に6匹ずつ9群（対照群、Cur投与群、GK投与群、GA投与群、擬似ばく露群、電磁界ばく露群、電磁界＋Cur群、電磁界＋GK群、電磁界＋GA群）に割り付けた。海馬のアンモン角における錐体ニューロンの数を光学的分別技法で推定した。組織病理学的変化を光学顕微鏡および電子顕微鏡下で評価した。スーパーオキシドジスムターゼ（SOD）およびカタラーゼ（CAT）の酵素活性を血清サンプルから評価した。その結果、ばく露群では対照群と比較して、有意なレベルのCATおよびSOD活性が認められた（それぞれp = 0.000、p = 0.001）。顕微鏡観察では、ばく露群にニューロンの境界が不明瞭な暗色核がしばしば認められた。立体解析学的データ分析では、ばく露群では対照群および擬似ばく露群と比較して、アンモン角の錐体ニューロンの総数の有意な減少が認められた（それぞれp = 0.000、p = 0.000）。CurおよびGKの有意な防護作用が認められた（それぞれp = 0.000、p = 0.000）が、GAには認められなかった（p = 0.989）。これらの結果から、900 MHz電磁界ばく露は海馬の錐体ニューロンの数および構造に重度の変化を生じ、CurおよびGKはその影響に対する防護作用があるが、GAにはない、と著者らは結論付けている。