この研究は、電磁界にばく露したラットの精巣に対するセレンの防護作用を調べた。雄のWistarラット24匹を、電磁界ばく露群(2100 MHz)、電磁界ばく露+セレン(0.2 mg/kg)投与群、セレン投与群(0.2 mg/kg)、対照群の4群に割り付けた。血清中の黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、テストステロン、レプチンおよびアロマターゼのレベル、精巣の重量および体積指数、精子のパラメータ(精子数および異常率)、精細管直径、胚上皮の厚さ、レプチン受容体およびカスパーゼ-3の免疫活性(胚上皮におけるアポトーシス細胞に対する)を調べた。その結果、ばく露群では対照群と比較して、血清中のLH、FSH、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GmRH)、テストステロンのレベル、精子数、胚上皮の厚さ、精細管直径が有意に減少した((P<0.05)が、血清中のレプチンのレベル、精子の異常率、アロマターゼ酵素のレベル、アポトーシス細胞、レプチン受容体は増加した((P<0.05)。更に、電磁界ばく露+セレン投与群では、電磁界ばく露群と比較して、精子数、胚上皮の厚さ、精細管直径、血清中のLH、FSHおよびGmRH、テストステロンのレベルの増加、ならびに精子の異常率、レプチン受容体、アポトーシス細胞の有意な減少が認められた((P<0.05)。これらの結果から、電磁放射は雄性の生殖系に悪影響を及ぼす可能性があるが、セレンを用いることでこれを防護することができる、と著者らは結論付けている。
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