この研究は、雄のWistarラット54匹を、静磁界の強度に応じて4群(対照群、低強度群:50 mT、中強度群:100 mT、高強度群:200 mT)に無作為に割付け、1時間/日、連続15日間ばく露した後、脳内のグルコース代謝をマイクロ陽電子放射断層撮影(マイクロPET)で評価した。ヘキソキナーゼ1(HK1)および6-リン酸フルクトキナーゼ-1(PFK1)の発現をウェスタンブロットで検出した。探索能力および運動能力をオープンフィールド試験で評価した。更に、脳の病理学的変化を、ヘマトキシリン‐エオシン染色を用いて顕微鏡下で観察した。その結果、静磁界ばく露はグルコース代謝の変化を生じ、異常の度合いは強度に応じて強まること、グルコース代謝における律速酵素であるHK1およびPFK1の脳での発現を有意に低下させること、オープンフィールド試験での総距離、周回距離、行動時間、よじ登り時間および立ち上がり時間を有意に減少させることが示された。脳の主な病理学的変化は、核濃縮、ニューロンの浮腫、血管周囲腔の僅かな拡大で、これらは15回のばく露後に生じた。これらの結果は、静磁界ばく露は脳のグルコース代謝の異常を生じ、その結果として不安様行動を生じ得ることを示している、と著者らは結論付けている。
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