この研究は、Wi-Fiシステムおよび携帯電話から発せられる無線周波(RF)放射への妊娠中のばく露が、臍帯血および胎盤に及ぼす影響を調べた。妊婦149人を非ばく露(対照)群、携帯電話ばく露群、Wi-Fi ばく露群、携帯電話+Wi-Fiばく露群に割付けた。出産直後、胎盤および臍帯血のサンプルを採取し、タンパク質カルボニル(PCO)、マロンジアルデヒド(MDA)、総酸化状態(TOS)、総抗酸化状態(TAS)、8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン(8-OHdG)レベルおよびDNA一本鎖切断を分析した。その結果、妊娠中に携帯電話にばく露されていた群では、臍帯血および胎盤の8-OHdG、MDA、PCOおよびTOSが増加したが、Wi-Fiにばく露されていた群では調査対象の酸化ストレスパラメータに変化は認められなかった。他方、携帯電話ばく露群では対照群およびWi-Fiばく露群と比較して、DNAのコメットテイル強度およびテイルモーメントが高かった。これらの結果は、妊娠中の携帯電話ばく露には臍帯血および胎盤での酸化ストレスおよびDNA損傷を生じ得る重要な潜在能力があること、ならびに、携帯電話+Wi-Fiばく露は有害な相乗効果を生じる、より高い潜在能力があることを示している、と著者らは結論付けている。
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