[ヒト皮膚線維芽細胞およびヒト皮膚等価物における生体力学的特性の電界による変化] med./bio.

電界は細胞および皮膚組織の機械的特性を変化させるのに用いることができる。この研究は、ヒト皮膚線維芽細胞（HDF）およびヒト皮膚等価物における電界による弾性の変化を示し、その変化に関連する原則を同定することを目的とした。HDFおよびヒト皮膚等価物を1.0 V/mの電界で刺激し、細胞の弾性の変化を原子間力顕微鏡で調べた。ヒト皮膚等価物の生物機械的および化学的特性に対する電界の影響を調べた。また、HDFおよびヒト皮膚等価物で、細胞の弾性のバイオマーカーに対する電界の影響を遺伝子およびタンパク質レベルで調べた。その結果、HDFでは、電界によって細胞の弾性が増加し、細胞の弾性のバイオマーカーの発現が調整された。ヒト皮膚等価物でのコラーゲンタンパク質の発現は電界刺激によって変化したが、コラーゲン線維の密度および微細構造の変化は有意ではなかった。電界刺激によってヒト皮膚等価物の粘弾性が増加したが、コラーゲン中の分子の変化は認められなかった、と著者らは報告している。