この研究は、900 MHzの無線周波(RF)電磁波にばく露したラットにおける受動的回避学習(PAL)および記憶に対する、ビタミン補充(ビタミンEまたはE+C)の防護効果を調べた。Sprague-Dawleyラットの雄の成獣30匹(190 ± 20 g)を無作為に以下の6群に割り付けた:対照群I(ビタミン投与なし)、対照群II(ビタミンE 250 mg/kg投与群)、対照群III(ビタミンE 100 mg/kg+ビタミンC 200 mg/kg投与群)、RFばく露群、処理群I(RFばく露+ビタミンE 250 mg/kg投与群)、処理群II(RFばく露+ビタミンE 100 mg/kg+ビタミンC 200 mg/kg投与群)。RFばく露は4時間/日、30日間連続とした。PALは最終日にシャトル箱[訳注:動物実験用の装置。内部に区切られた2つの部屋があり、動物に対して一方の(この研究では暗い)部屋で電撃の与え、その回避のために他方の(この研究では明るい)部屋に移動することを学習させる]で評価した。学習および記憶は、明るい部屋に留まる時間(LT)で示した。その結果、RFばく露群では他の群と比較して、学習、記憶統合、および記憶保持日数についてのLTが有意に短縮した(p < 0.05)。ビタミン(EおよびE+C)の事前投与はRFによる悪影響に対してPALを防護し、ビタミンE+C投与は対照群Iおよび処理群IIと比較して、対照群IIIにおけるPALの成績を改善した(p < 0.05)。RFばく露群へのビタミンE+C投与(処理群II)では学習(p = 0.013)、記憶統合、および記憶保持(p = 0.009)についてのLTの有意な延長が認められた。これらの結果から、900 MHzのRFへの長期ばく露はPALおよび記憶を損ない、ビタミン(EまたはE+C)の事前投与はその影響を防止する、と著者らは結論付けている。
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