この研究は、高出力マイクロ波の健康ハザードを評価するため、ラットを可能な限り最も高いレベルの無線周波(RF)電磁界に単回の急性ばく露、または反復的に8週間ばく露した。電界1 MW/mの強いナノ秒マイクロ波を、搬送周波数10および3.7 GHzで印加した。パルス反復率は100パルス/秒、一連のパルスの持続時間は10秒から8分間×2回とした。脳炎症マーカーGFAP[グリア線維性酸性タンパク質]のラベリング、および幾つかの行動学的試験(ロータロッド、T字型迷路、高所歩行、オープンフィールド、回避)を実施して、中枢神経系への影響を評価した。反復ばく露群の長期的な生存率を調べ、生後2年または早死の場合はそれより早期に屠殺し、解剖病理学的分析を実施した。その結果、行動への影響はほとんど認められなかった。急性ばく露群では、非常に高い熱的レベル(22 W/kg)での回避反射、およびばく露数日後にGFAPの増加が認められた。反復ばく露群では生存期間が4か月短く、大きな皮下腫瘍が対照群での2匹に対して11匹に認められた。平均では熱的レベルより低い高出力マイクロ波は、ラットに対して行動への明確な影響なしに、がんの有病率を高め、寿命を短縮し得ることが示された、と著者らは報告している。
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