[ナノ秒高出力パルス化マイクロ波への反復ばく露はラットにおけるがん発生率を高める] med./bio.

Repeated exposure to nanosecond high power pulsed microwaves increases cancer incidence in rat

掲載誌: PLoS One 2020; 15 (4): e0226858

この研究は、高出力マイクロ波健康ハザードを評価するため、ラットを可能な限り最も高いレベルの無線周波RF電磁界に単回の急性ばく露、または反復的に8週間ばく露した。電界1 MW/mの強いナノ秒マイクロ波を、搬送周波数10および3.7 GHzで印加した。パルス反復率は100パルス/秒、一連のパルス持続時間は10秒から8分間×2回とした。脳炎症マーカーGFAP[グリア線維性酸性タンパク質]のラベリング、および幾つかの行動学的試験(ロータロッド、T字型迷路、高所歩行、オープンフィールド、回避)を実施して、中枢神経系への影響を評価した。反復ばく露群の長期的な生存率を調べ、生後2年または早死の場合はそれより早期に屠殺し、解剖病理学的分析を実施した。その結果、行動への影響はほとんど認められなかった。急性ばく露群では、非常に高い熱的レベル(22 W/kg)での回避反射、およびばく露数日後にGFAPの増加が認められた。反復ばく露群では生存期間が4か月短く、大きな皮下腫瘍対照群での2匹に対して11匹に認められた。平均では熱的レベルより低い高出力マイクロ波は、ラットに対して行動への明確な影響なしに、がん有病率を高め、寿命を短縮し得ることが示された、と著者らは報告している。

ばく露