この研究は、携帯電話から発せられる無線周波(RF)電磁界にばく露される脳の海馬と直接的または間接的に関連している主要なパラメータ(酸化ストレス、炎症誘発性サイトカイン(PIC)のレベル、視床下部‐下垂体-副腎(HPA)軸ホルモン、文脈恐怖条件付け)の変化を調べた。Wistarラットの若齢成獣の雄を携帯電話RF (1966.1 MHz、4.0 mW/cm^2、0.36 W/kg)に2時間/日、16週間連続でにばく露または擬似ばく露し、恐怖記憶について検査した。安楽死後、海馬の酸化ストレス、循環系のPICのレベル、ストレスホルモンを測定した。その結果、ばく露群では海馬の酸化ストレス(p < 0.05)ならびに循環系のPICのレベル(IL-1β(p < 0.01)、IL-6(p < 0.05)、TNF-α(p < 0.001))、副腎の重量(p < 0.001)ならびにストレスホルモンのレベル(副腎皮質刺激ホルモン(ACTH、p < 0.01)、コルチコステロン(CORT、p < 0.05))の有意な上昇が認められた。但し、文脈恐怖記憶における変化は有意ではなかった。これらの結果から、携帯電話のRF電磁界への慢性的なばく露は、酸化ストレス、炎症反応、およびHPA軸の脱調整を生じるかも知れない、と著者らは結論付けている。
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