この研究の著者らは2009年以来、電磁過敏症(EHS)および/または多種化学物質過敏症(MCS)の自己申告の症例2000人以上を含むデータベースを構築している。このデータベースによれば、EHSはMCSの症例の30%と関連しており、これらのEHS/MCS関連症例のうち37%はEHSの発症よりも前にMCSを呈していた。EHSとMCSは臨床的には同様の症候像で、生物学的には軽度の炎症およびO-ミエリンに対する自己抗体を含む自己免疫反応で特徴付けることができる。更に、EHSの症例の80%は、末梢血中に1つ、2つまたは3つの検出可能な酸化ストレスバイオマーカーを示しており、これらの症例は全体として真の客観的な身体症状を呈していることを意味している、と著者らは主張している。また著者らは、超音波断層脈波検査[ultrasonic cerebral tomosphygmography]および経頭蓋ドップラー超音波検査を用いて、これらの症例は中大脳動脈の血行動態の欠陥を有すること、ならびに側頭葉の内包視床領域における組織脈波指数の低下を示し、辺縁系と視床の関与を示唆している。これらのデータは、EHSは神経病理学的障害であり、診断・治療・未然防止が可能であることを強く示唆している、と結論付けている。著者らは世界保健機関(WHO)に対し、EHSを神経障害として国際疾病分類に含めることを求めている。
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