著者:
Rauš Balind S, Manojlović-Stojanoski M, Šošić-Jurjević B, Selaković V, Milošević V, Petković B
掲載誌: Bioelectromagnetics 2020; 41 (2): 91-103
神経内分泌系は、磁界(外的ストレス因子)および脳虚血(内的ストレス因子)によって調節され得る。この研究は、3月齢のアレチネズミの下垂体副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)細胞の形態機能的特徴に対する、超低周波(ELF)磁界(50 Hz、平均0.5 mT)への7日間のばく露、および10分間の全脳虚血の個別のまたは複合的な影響を調べた。実験開始から7日目および14日目に測定を実施し、両ストレス因子の即発影響と遅発影響を判断した。その結果、ELF磁界ばく露および10分間の全脳虚血は、個別でも同時に行った場合でも、ACTH細胞の体積密度を低下させた(P < 0.05)。一方、細胞内ACTH含量および血漿ACTH濃度の7日目の低下(P < 0.05)は、同時に行った場合にのみ認められた。ELF磁界は7日目の血清TSH濃度、および14日目の細胞内TSH6濃度を上昇させた(P < 0.05)。10分間の全脳虚血も単独で血清TSH濃度を上昇させた(P < 0.05)が、ELF磁界ばく露と同時に行った場合、14日目の細胞内TSH6含量を上昇させた(P < 0.05)。ELF磁界および/または10分間の全脳虚血は、ACTHおよびTSH合成および分泌の即発および遅発刺激を生じ得る、と著者らは結論付けている。