この研究は、ラットの海馬に対する携帯電話からの電磁放射ばく露の影響に対する、イチョウ[Ginkgo biloba](Egb761)によって生じるかも知れない相殺効果を調べた。ラットを1) 対照群、2) 電磁放射ばく露群、3) 電磁放射ばく露+Egb761投与群に割付けた。第2群及び第3群は携帯電話の電磁放射(SAR = 0.96 W/kg)に1か月間ばく露した。第3群にはEgb761を投与した。影響は立体学的、TUNEL染色、免疫組織化学的方法で評価した。その結果、第2群ではアポトーシスタンパク質(Bax、Acas-3)の増加、抗アポトーシスタンパク質(Bcl-2)の免疫反応性の低下、ならびに総顆粒及び錐体細胞数の減少が認められた。第3群では、TUNEL染色したアポトーシス細胞の減少、生細胞数の総数の増加に加えて、Bax及びAcas-3の減少、ならびにBcl-2の免疫反応性の上昇が認められた。これらの結果から、携帯電話の電磁放射への慢性ばく露は海馬の細胞の生存率に影響を及ぼすかも知れず、Egb761はその悪影響の一部の緩和に用いることができるかも知れない、と著者らは結論付けている。
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