超低周波(ELF)磁界へのばく露は神経変性疾患のリスク上昇と関連付けられているが、その根底にある作用機序は依然として議論の余地がある。神経変性のプロセスにはエピジェネティクスが重要な役割を担っていることから、この研究は、ELF磁界(50 Hz、1 mT)へのばく露が、ドーパミン作動性神経芽腫細胞SH-SY5Yの包括的なDNAメチル化に影響し得るかどうかを調べた。5-メチルシトシン(5-mC)の3つの反復的分散型シーケンス(ALU、LINE-1またはSATα)のパーセンテージを、パイロシーケンシング分析で評価した。その結果、ELF磁界ばく露(最長72時間)は増殖中及び分化したSH-SY5Y細胞において、ALU、LINE-1及びSATαのメチル化のパターンに何ら変化を生じないことが示された。更に、パーキンソン病の表現型を模倣した神経毒である1-メチル-4-フェニルピリジニウム(MPP+)と組合せた場合、ELF磁界ばく露は、これらの反復要素の5-mCのパーセンテージの変調に何ら影響を及ぼさなかった。これらの知見は、50 Hz磁界ばく露は、増殖中及びドーパミン作動性分化したSH-SY5Y細胞において、基礎的な培養条件でも神経毒ストレス下でも、包括的なDNAメチル化に影響しないことを示している、と著者らは結論付けている。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1: 50 Hz |
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