[硫酸亜鉛は高強度電磁界ばく露下でのラットの脂肪組織由来の間葉系幹細胞の細胞増殖の刺激を緩和する] med./bio.

Zinc Sulphate Mediates the Stimulation of Cell Proliferation of Rat Adipose Tissue-Derived Mesenchymal Stem Cells Under High Intensity of EMF Exposure

掲載誌: Biol Trace Elem Res 2018; 184 (2): 529-535

この研究は、超低周波(ELF)電磁界下でのラット脂肪組織由来の間葉幹細胞(rADSC)の増殖に対し、硫酸亜鉛(ZnSO4)が影響を及ぼし得るかどうかを調べた。細胞を無作為に4群に分けた:グループI(対照群);グループII(ZnSO4処理あり:0.14 μg/ml、ELFばく露なし);グループIII(ZnSO4処理なし、ELFばく露あり);グループIV(ZnSO4処理あり、ELFばく露あり)。メチルチアゾールテトラゾリウム(MTT)法を用いて、ZnSO4の存在下でのELFばく露後のrADSCの細胞増殖を判定した。免疫細胞化学法ならびにフローサイトメトリを用いて細胞表面マーカーを同定した。次に、オイルレッドO、アリザリンレッド、トルイジンブルー、クレシルバイオレット染色を実施し、rADSCの多能性としての脂肪生成、骨形成軟骨形成および神経原性分化を評価した。その結果、ELF電磁界ばく露はrADSCの増殖の低下を生じることが示された。但し、ZnSO4投与はELFばく露群の細胞増殖を有意に増加させた。加えて、ZnSO4の存在下ではrADSCは対照群よりも早く成長し、ZnSO4はELFばく露群のrADSCの倍増時間を有意に短縮させるように見えた。ZnSO4はELF電磁界ばく露群のrADSCの細胞増殖誘導する良い要素のようである、と著者らは結論付けている。

ばく露