この研究は、超低周波(ELF)電磁界下でのラットの脂肪組織由来の間葉系幹細胞(rADSC)の増殖に対し、硫酸亜鉛(ZnSO4)が影響を及ぼし得るかどうかを調べた。細胞を無作為に4群に分けた:グループI(対照群);グループII(ZnSO4処理あり:0.14 μg/ml、ELFばく露なし);グループIII(ZnSO4処理なし、ELFばく露あり);グループIV(ZnSO4処理あり、ELFばく露あり)。メチルチアゾールテトラゾリウム(MTT)法を用いて、ZnSO4の存在下でのELFばく露後のrADSCの細胞増殖を判定した。免疫細胞化学法ならびにフローサイトメトリを用いて細胞表面のマーカーを同定した。次に、オイルレッドO、アリザリンレッド、トルイジンブルー、クレシルバイオレット染色を実施し、rADSCの多能性としての脂肪生成、骨形成、軟骨形成および神経原性分化を評価した。その結果、ELF電磁界ばく露はrADSCの増殖の低下を生じることが示された。但し、ZnSO4投与はELFばく露群の細胞増殖を有意に増加させた。加えて、ZnSO4の存在下ではrADSCは対照群よりも早く成長し、ZnSO4はELFばく露群のrADSCの倍増時間を有意に短縮させるように見えた。ZnSO4はELF電磁界ばく露群のrADSCの細胞増殖を誘導する良い要素のようである、と著者らは結論付けている。
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