この研究は、ラットの心臓および血液に対する2450 MHzの電磁放射(EMR)の影響と、メラトニンによって生じ得る改善効果を調査した。雌のWistarアルビノラット32匹を無作為に以下の各群に割り付けた(各群8匹)。グループI:ケージ対照群(ジメチルスフホキシド(DMSO)、腹腔内に10 mg/kg/日投与、ストレスおよびEMRなし);グループII:偽ばく露対照群(EMRなしで拘束器内に保持、DMSO(腹腔内に10 mg/kg/日投与));グループIII:2450 MHz EMRばく露群;グループIV:2450 MHzばく露+メラトニン(腹腔内に10 mg/kg/日投与)群。その結果、血液組織では、赤血球のGSH、GSH-Px活性、血漿LPレベルおよびビタミンA濃度について、群間で有意差はなかった(p > 0.05)。但し、グループIVではグループIIIと比較して、赤血球のLPレベルが有意に低く(p < 0.05)、血漿中のビタミンCおよびビタミンE濃度が高い(p < 0.05)ことが認められた。心臓組織については、グループIIIではグループIおよびIIと比較して、MDAおよびNOのレベルが有意に高かった(p < 0.05)。対照的に、グループIIIではグループIおよびIIと比較して、CATおよびSODの酵素活性が低かった(p < 0.05)。メラトニン投与はMDAおよびNOレベルをグループIIIよりも低下させた。著者らは、これらの結果は、心臓への影響とは対照的に、ワイヤレスデバイス(2450 MHz)はラットの血液において僅かな酸化的‐抗酸化的変化を生じること、および、適度のメラトニン補給は抗酸化系(血漿中のビタミンCおよびビタミンE)において重要な役割を担っているかも知れないことを示している、と結論付けている。但し、2450 MHzのEMRばく露の作用機序を解明するため、更なる調査が必要である、としている。
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