この研究は、生後22-59日目の雄ラットの腎臓および膀胱組織に対する、900 MHzの電磁界ばく露の影響を調べた。生後21日の雄のSprague-Dawleyラット24匹を、対照群、偽ばく露群、ばく露群に均等に割り付けた。ばく露群は、連続的な900 MHz電磁界に1時間/日、生後22-59日目までケージ内でばく露した。偽ばく露群は、電磁界ばく露がない以外はばく露群と同条件とした。生後60日目にラットを屠殺し、腎臓および膀胱組織を摘出し、組織形態学的評価のためのヘマトキシリンおよびエオシンならびにマッソントリクロームで染色した。TUNEL法を用いてアポトーシスを評価した。透過顕微鏡法を用いて腎臓組織を調べた。生化学値について酸化/抗酸化パラメータを調べた。その結果、ばく露群では対照群および偽ばく露群と比較して、マロンジアルデヒドは腎臓および膀胱組織の両方で増加したが、カタラーゼおよびグルタチオンのレベルは減少した。ばく露群では、遠位および近位尿細管における拡張および空胞化、糸球体の変性、ならびにアポトーシス傾向の細胞の増加といった病理学的変化が認められた。ばく露群の膀胱組織では、移行上皮の変性、間質の不規則性およびアポトーシス傾向の細胞の増加が認められた。加えて、ばく露群のサンプルでは、毛細血管基底膜による糸球体毛細血管変性が、透過顕微鏡法で認められた。著者らは、生後22-59日での900 MHz電磁界への1時間/日の連続ばく露は、雄ラットの腎臓および膀胱組織における酸化ストレスの増加および各種の病理学的パラメータの変化を生じる、と結論付けている。
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