この研究は、無線周波(RF)電磁界とエックス線との複合作用を調べるため、マウス精母細胞由来細胞(GC-1)を1950 MHzのRF電磁界(比吸収率(SAR)=3 W/kg、24時間単独ばく露またはエックス線(6 Gy)との複合ばく露)にばく露した。ばく露後、細胞増殖レベルを3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2-H-テトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイおよび5-ブロモ-2-デオキシウリジン(BrdU)酵素結合免疫吸着(ELISA)アッセイで調べた。また、アポトーシスのレベルをアネキシンVフローサイトメトリアッセイ、トランスフェラーゼ媒介デオキシウリジン三リン酸 - ビオチンニック末端標識(TUNEL)アッセイおよびカスパーゼ-3活性アッセイで調べた。その結果、RF単独ばく露後、GC-1細胞の増殖およびアポトーシスのレベルに変化は認められなかった。但し、エックス線群と比較して、RF+エックス線群では増殖レベルが有意に低下し、アポトーシス率が有意に上昇した。更に、Bcl-2タンパク質の発現の有意な減少およびBaxタンパク質の発現の増加が認められた。著者らは、これらの知見は、3 W/kgのSARでのRFばく露は単独ではGC-1細胞の増殖およびアポトーシスに影響しないが、エックス線による増殖の阻害およびアポトーシスを強め、これにはB細胞リンパ球-2(Bcl-2)およびBcl-2関連Xタンパク質(Bax)が関与しているかも知れないことを示唆している、と結論付けている。
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