妊娠中に0.2 μTを超える磁界レベルにばく露された母親から生まれた子どもにおける喘息のリスク上昇が先行研究で報告されていることから、この研究は、デンマーク国家出生コホート(DNBC)の母親と子どものデータを用いて、この関連を再調査した。DNBCからの単生児92,676人とその母親を調査対象とした。母親の妊娠中の全ての住居、および子どもの出生からフォローアップ終了までの全ての住居について、電力線からの磁界ばく露を推定した。分析のため、ばく露を0 μT 、0.1 μT 、0.2 μT以上に分類した。3つの独立したデータソース(母親の申告、国家入院登録、国家処方薬登録)から、確定された喘息の症例および可能性のある症例を同定した。妊娠中の最も高いばく露レベルと子どもの喘息との関連についてのハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を計算し、複数の潜在的な交絡因子について調整した。ばく露の違いおよびアウトカムの定義に対するリスク推定値の感度解析も実施した。その結果、症例の定義(確定された症例か可能性のある症例か)またはアウトカムのデータソースにかかわらず、母親の妊娠中の磁界ばく露レベルが異なる子どもの間で、喘息発症のリスクの傾向に差は認められなかった。確定された症例では、全てのばく露についてのHR(95% CI)は0.72(0.27 - 1.92)、0.2μT以上のばく露については0.41(0.06 - 2.92)であった。交絡因子およびばく露のばらつきについての調整後も、結果は明確には変わらなかった。著者らは、妊娠中または乳幼児期の居住環境磁界ばく露が小児喘息のリスクを高めるという証拠は認められず、この解釈は、磁界ばく露と喘息とを直接的に結び付ける確立された生物学的機序がないことと整合する、と結論付けている。但し、このコホートで高ばく露は非常に稀であったとしている。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | magnetic field strength: no exposure |
集団 2 | magnetic field strength: 0.1 µT |
集団 3 | magnetic field strength: ≥ 0.2 µT |
タイプ | 値 |
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合計 | 92,675 |
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