このコホート研究は、ノルウェー海軍の男性職員における子供の出生状況を、1967~2008年に生まれた単生児(37920人)が含まれる、ノルウェーの医学的出生登録とリンクさせて、高速巡視船への乗船業務で受胎前の3ヶ月間(急性)及び受胎の3ヶ月以上前(非急性)のRF電磁界ばく露の影響を分析した。その結果、他の船舶への乗船業務と比較して、急性期間中に高速船乗船業務した後ならびに推定RFばく露が増加した後について周産期死亡率及び子癇前症の増加が見られ、一方、非急性ばく露と何らかの生殖アウトカムとの関連は見られなかったと報告している。
ノルウェー海軍における親に関する全ての妊娠を見出すため、母親及び父親の個人ID番号によって、ノルウェーの医療出生登録と海軍の登録をリンクさせた。
妊娠前の3か月間のばく露(急性)及び妊娠の3か月以上前のばく露(非急性)を分析した。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 地上でのばく露 |
集団 2 | 艦船での急性ばく露(妊娠前の3か月)、グループ4-8に細分 |
集団 3 | 艦船での非急性ばく露(妊娠の3か月以上前)、グループ9-13に細分 |
参照集団 4 | 高速巡視艇以外の艦船での急性ばく露 |
集団 5 | 高速巡視艇での急性ばく露 |
集団 6 | 高速巡視艇での急性ばく露、無線周波のばく露量:低 |
集団 7 | 高速巡視艇での急性ばく露、無線周波のばく露量:中 |
集団 8 | 高速巡視艇での急性ばく露、無線周波のばく露量:高 |
参照集団 9 | 高速巡視艇以外の艦船での非急性ばく露 |
集団 10 | 高速巡視艇での非急性ばく露 |
集団 11 | 高速巡視艇での非急性ばく露、無線周波のばく露量:低 |
集団 12 | 高速巡視艇での非急性ばく露、無線周波のばく露量:中 |
集団 13 | 高速巡視艇での非急性ばく露、無線周波のばく露量:高 |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 37,920 |
結果は、妊娠前の3か月間に高速巡視艇で勤務していた父親では、その他の艦船での勤務と比較して、周産期死亡及び子癇前症を伴う妊娠のリスク上昇を示した。無線周波ばく露量が推定される軍人についても同様であった(グループ6-8)が、明確な量‐反応関係はなかった。非急性ばく露と何らかの生殖結果との関連は認められなかった。
著者らは、高速巡視艇での父親の急性期間の勤務は周産期死亡及び子癇前症と関連していたが、その原因は不明である、と結論付けた。
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