携帯電話が関係する無線周波(RF)電磁界の影響に対して成人より小児の方が感受性が高いと仮定されることがある。しかしながら、この可能性をインビトロまたは動物で調べた研究は比較的少ない。インビトロ研究 :これまでに用いられた細胞の種類は、ヒトとげっ歯類の両方の初代培養細胞、胚細胞株、未分化がん細胞株、幹細胞である。全体的には証拠のバランスから見て、電磁界が関連する影響が生じることはどの種類の細胞でも示されていない。具体的には、15件中9件の研究で、遺伝子およびタンパク質の発現はばく露により有意に変化しなかった。遺伝毒性については13件の研究があるが、その大部分はDNA損傷を検出しなかった。アポトーシスの誘導に関する8件の研究はそれを検証しなかった。RFばく露による酸化ストレスの誘導に関する3件の研究は影響が無いことを報告した。RFばく露と化学的または物理的要因との複合ばく露の影響を調べた8件の研究のうちの5件は電磁界が関連する影響が無いことを報告した。動物研究 :未熟な動物での低レベルばく露の影響に関して少数の論文が公表されている。用いた信号および生物学的な影響指標の両方の点において利用できる結果は非常に限られているが、周産期または生後早期のばく露が有害な急性反応または長期にわたる有害な変化の発生に関連することを示す証拠は無い。全体として、若い動物が成獣より有意に感受性が高いことはなさそうであると示唆されているが、さらに研究を行う必要は明らかにある。
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