この研究は、2人の健康なドナーから得たヒトリンパ球を用いた実験で、クロマチン立体配座に対する50 Hz磁界(MF)の影響を調べた。クロマチンの立体配座の変化は、異常粘度時間依存性(AVTD)法によって測定した。その結果、ピーク振幅が5 - 20 μTの範囲のMFは、クロマチンの立体配座に影響を与えることが示された;このような影響は、研究対象のドナー間で有意に異なり、磁束密度およびクロマチン凝縮の初期状態に依存していた。クロマチン凝縮の初期状態は、1暦年の測定において、1人のドナーではかなり安定していたが、もう一人のドナーの細胞では有意に変動した;この変動とMFの影響の両方には、ばく露中の温度への依存性が見られた;これらの変動にもかかわらず、全般的には、MFが弛緩したクロマチンを凝縮し、凝縮したクロマチンを弛緩させた、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 15 min - 180 min |
Additional information | for exposure a DC field and the AC field were applied simultaneously |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | two pairs of Helmholtz coils, one vertical, one horizontal; horizontal pair: radius of 0.09 m and 1000 turns, connected to an AC generator vertical pair: radius of 0.068 m and 100 turns, connected to a DC power supply and used to zero the ambient magnetic field; DC field parallel to the AC magnetic field; magnetic field in the exposure area homogenous within +/- 5 % |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
Additional information | during sham exposure only the AC field was switched off in the middle of each experiment control samples were incubated at the location with the same DC magnetic field as in exposure/sham exposure |
磁界ばく露(5-20µT)はクロマチン立体配座に影響した。これらの磁界の影響は、2人のドナーで有意に異なり、また磁束密度及びクロマチンの初期凝集に依存していた。クロマチンの初期状態は、一方のドナーではどちらかと言えば安定していた(異なる測定間で)が、もう一方のドナーからの細胞では初期凝集は有意に変動した。この変動と磁界の影響は共に、ばく露時の室温に依存した。こうした変動はあるものの、当初は分散していたクロマチンを凝集させ、当初は凝集していた細胞内のクロマチンを分散させるというのが、磁界ばく露の原則であった。換言すれば、クロマチンの初期状態が、影響の方向性(凝集vs.分散)と度合を決定するかも知れない。
結論として、このデータは、クロマチンの初期状態及び温度に依存した50Hz磁界ばく露(5-20µT)の個別の影響が、ヒトリンパ球において観察されるかも知れないことを示した。
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