【背景】ハイパサーミア、酸化ストレス、磁界ばく露などの環境刺激は熱ショック蛋白hsp70のレベルを上昇させる。またハイパサーミアと磁界の組み合わせばく露によるhsp70産生の相乗的上昇が報告されている。【目的】グルタチオン(GSH)枯渇により誘導される酸化ストレスと静磁界ばく露の組み合わせが同じくhsp70産生の相乗的上昇をもたらたすか否かを検証すること。【方法】ハイパサーミア、静磁界、GSMを枯渇させる薬剤DEMを、それぞれ単独および組み合わせて細胞にばく露させ、hsp70産生を測定した。hsp70産生はhsp70/lucのレポーター(ルシフェラーゼをレポーター遺伝子としたもの)およびPCRによるmRNAレベルを用いて測定した。【結果】DEM処理は生物発光ルシフェラーゼの産生速度を、特に熱が存在するときに顕著に減少させることが見られた。100mT静磁界は、単独、熱、DEMのいずれかとの組み合わせ、両者との組み合わせのいずれにおいても生物発光への顕著な影響を示さなかったが、hsp70 mRNAレベルに関しては静磁界とDEMとの間に顕著な相互作用が見られた。【結論】今回の実験条件においては、GSH枯渇はhsp70レベルを減少させたが、この酸化ストレスと他の外的刺激との組み合わせによる相乗的影響はmRNAレベルにおいてのみ観察された。
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