この症例対照研究は、経験的に定義された6つの職業(化学、金属、農業、建設、電気/電子、運輸)と神経膠腫、髄膜腫、聴神経鞘腫のリスクとの関連を調査した。症例844、対照1688からなる人口ベース症例対照研究を2000年から2003年まで実施し、個人面接で生涯にわたる職務歴の詳細な情報を収集した。短くとも1年間継続した全ての職務について、職務名、職務上の活動、職務番号、およびその活動の開始および終了の日付を記録した。報告された職務上の活動は国際標準職業分類1988(ISCO88)に従ってコード化した。定義した6つの職業に焦点を絞って、条件付き多重ロジスティック回帰分析を行った結果、6つの職業と神経膠腫、髄膜腫、聴神経鞘腫のリスクについて観察されたオッズ比のほとんどは1.0に近かったなどの所見を報告し、農業、建設、運輸、化学、電気/電子の職業に関して神経膠腫または髄膜腫のリスクの増加を観測しなかったと結論している
国際標準職業分類1988(ISCO 88)に従い、職業活動をコード化した。
無線周波電磁界への職業ばく露は Berg他、2006 で調査したので、本論文には含めていない。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 6つの職業部門における活動のない参加者 |
集団 2 | 電気/電子部門 |
症例 | 対照 | |
---|---|---|
参加者 | 844 | 1,688 |
電気/電子部門での職業活動を有する参加者には、神経膠腫及び髄膜腫についてのリスク上昇は認められなかった。電気/電子部門で5年以上の就労期間を有する参加者について、聴神経鞘腫のリスク上昇が認められた(OR 3.39、CI 1.03-11.10)。但し、この結果は少ない数(症例8人、対照9人)に基づいているので、偶然によるものかも知れない。
著者らは、化学、金属、農業、建設、電気電子及び運輸部門で働いたことがある人々には、神経膠腫、髄膜腫及び聴神経鞘腫のリスク上昇は認められなかった、と結論付けた。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。