この研究は、50 Hz、2 mTのパルス磁界(PMF)が、走磁性細菌マグネトスピリウム(Magnetospirillum sp)AMB-1株でのマグネトソーム形成に与える影響を調べた。走磁性細菌は一般に、マグネトソームの1つまたは複数の鎖を持ち、地磁気を利用した方向検出能力を備えている。その結果、PMF磁界ばく露後にAMB-1培養の細胞磁性R(mag)は有意に増加したが、一方で、細胞増殖への影響はないことが示された;PMF磁界ばく露後に、細胞あたりの磁性粒子の数は約15 %増加し、超常磁性粒子(直径 < 20 nm)および成長したマグネトソーム(直径 > 50 nm)の比率のわずかな増加が観察された;また、ばく露後に細胞内の鉄の蓄積もわずかに増加した;以上の知見から、50 Hz、2 mTのPMFは、マグネトスピリウムAMB-1株でのマグネトソーム形成を増強するとの結論を得た、と報告している。
走磁性細菌は微生物の多様なグループで、マグネトソーム(マグネタイトを含む)の一つ以上の鎖を持つ。これらの細菌は方向感覚に地磁気を用いることができることから、マグネタイトに基づく磁覚の研究のための単純なモデルを提示している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 2 h, 4 h, 8 h, 12 h, 16 h or 24 h |
Modulation type | pulsed |
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Duty cycle | 50 % |
Pulse type | rectangular |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | 400 mm long solenoid coil with a diamter of 200 mm; samples placed inside the solenoid |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 2 mT | maximum | 測定値 | - | at the center of the solenoid |
このデータは、培養細菌の細胞磁性がばく露後に有意に上昇する一方、細胞の成長は影響されないことを示している。ばく露後、細胞あたりの磁性粒子の数は約15%増加し、超常磁性特性の磁性粒子(大きさ<20nm)と成熟したマグネトソーム(大きさ>50nm)の比率が僅かに高まることが示された。加えて、パルス磁界ばく露後に細胞内の鉄の蓄積が僅かに増加した。
著者らは、50Hz、2mTのパルス磁界ばく露は、Magnetospirillum属のAMB-1系統におけるマグネトソームの形成に影響する、と結論付けている。パルス磁界は細胞の磁性を強め、磁性粒子の数を増加させることができ、マグネトソームの分布に影響を及ぼした。
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