低周波の電磁界(EMF)が軟骨組織再生を助けうるかどうかを、組織工学の観点から確かめるために、我々は EMF が、コラーゲンゲルの特質および、コラーゲン構成物の中に埋め込まれた軟骨細胞にどのような影響を与えるかを調べた。コラーゲンゲル及びコラーゲンの中に埋め込まれた初期軟骨細胞が、電磁界に24時間ばく露された。電磁界にばく露されないゲルと細胞が対照標本として用意された。電磁界に曝されたコラーゲンは、対照標本よりも疎水性となり、酵素分解を受けにくくなった(ともにp<0.05)。電磁界へのばく露後3週間、軟骨細胞は対照標本と比べより高い繁殖性と、より低いグリコサミノグリカン産生を示した(ともにp<0.05)。第3週の終わりまでに、EMFグループにおけるアグリカン、1型、2型、10型コラーゲンのmRNA発現が、2型コラーゲンを除き、対照標本より1.8倍高くなった(p<0.05)。遺伝子発現における増大は、アグリカン組織学的染色および2型10型コラーゲン免疫組織化学的染色に現れなかった。いずれのグループの細胞も、テスト期間を通じて、通常の多角形形状を保った。我々の実験結果は、一時的な電磁界ばく露が、コラーゲンに埋め込まれた軟骨細胞の繁殖とその遺伝子発現を促進したことを示唆した。また、それにより、短期(1週間)のGAG産生と小腔形成が促進された。GAGおよび2型コラーゲンの明らかな産出は、電磁界ばく露後3週間では組織学的染色において見られなかった。
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