<目的>職場における磁界曝露の傾向を明らかにして、単発的な曝露測 定に役立てることと、異なった職業グループでの平均的な曝露を推定する職業ー曝露マトリックスを作り上げることに役立てるために、全般的な職業磁界曝露の調査を行う。<方法>一般人口からランダムに抽出した1,098名のスウェーデン男性の職場における50Hz磁界曝露を個人曝露メータ(EMDEX-C)で測定した。作業日の平均曝露、中央値、最高値、標準偏差、0.20μTを越える値の続いた1日の時間の割合などで曝露を表した。<結果>作業日の曝露の平均値の50%タイル値は0.27μTであり、75%タイル値は0.27μTであった。中央値については、50%タイル値は0.11μT、75%タイル値は0.16μTであった。作業日の平均値と0.20μT以上の時間割合との相関が最も強かった(rs=0.89)。著者は1990年のセンサスに従って最も平均的な100の職業について曝露を推定するために同じデータを使用した。それぞれの職業について最低4つの独立した測定を要求した。作業日の平均値の低いグループには、地上を走行するマシンの運転手、ヘルスケアの職業、コンクリート作業者などがあり、曝露平均値の高いグループには、溶接作業者、電気あるいは電子エンジニアまたは技術者がいた。高曝露レベルはこの研究ベース以外に、列車の機関手、ガラス、セラミック、あるいはレンガの作業者にも発見された。曝露の発生源からの距離、曝露の時間などによって曝露レベルは著しく影響を受け変動した。ある職業の中で個人間で著しい変動が見られる場合は、特定の職業について異なった作業日の間で比較した場合とか、作業の手段や設備といった条件が異なる場合とか、どの様に仕事を行ったかということが反映されていた。著者は研究における曝露レベルがロサンゼルスにおける研究(Southern Carifornia Edison)の結果と良く一致していることから、スウェーデンその他の疫学研究の職業ー曝露マトリックスに役立てたいと述べている。 <主要結果>1日労働したときの曝露量の平均値に対しては、50%値は0.17μT、75%値は0.27μTであり、中央値に対しては、50%値は、0.11μT、75%値は0.16μTであった。1日労働した時の曝露量の平均値と0.2μTを超える時間との間に最も強い相関があった。1日労働した時の曝露量の平均値が小さいものは、土を動かす機械の運転者、ヘルスケア作業者、コンクリート作業者であった。大きなものは、溶接、電気電子技術者或いはテクニシャンであった。また、磁界曝露量は非常に変動することが分かった。
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