この研究は、カリフォルニア州ラキンタの中学校の教師コホートにおけるがん発生率と学校の電気的環境との関係について後ろ向き調査を行った。その結果、1988年から2005年に採用された137人の教師コホートにおいて、16人の教師が18個のがんと診断された;期待数/観察数(O / E)リスク比は、全がんで2.78(P = 0.000098)であった;悪性黒色腫でが9.8(P = 0.0008)であった;甲状腺がんでは13.3(P = 0.0098)、子宮がんでは9.2(P = 0.019)であった;60Hz磁界はがん発生との関連を示さなかった;新しいばく露指標である高周波過渡電圧は、がん発生と正の相関を示した;教師コホートのがん発生率分析では、Graham / Stetzer測定器で測定された教室電気配線での高周波過渡電圧への累積ばく露の増加に伴うがんリスクの増加のポジティブな傾向が示された;高周波過渡電圧へのばく露に関連するがんの寄与リスクは64%であった;結論として、この教師コホートでのがん発生率は異常に高く、高周波過渡電圧と強く関連していた、と報告している。
本調査で導入した新たなばく露尺度(GS単位)は、あるメーターで測定される。それは、電力配線上のどこにでも存在する、高周波電圧トランジェントの平均変化率を表示する。過負荷の読み取り値は2000GS単位を超える場合と定義され、これは例えば、時間の関数としての電圧の変化率の平均的な度合いである。
グループ | 説明 |
---|---|
集団 1 | 過負荷の読み取り値が少なくとも1回あった教室で教えたことがない教師 |
集団 2 | 過負荷の読み取り値が少なくとも1回あった教室で教えたことがない教師、雇用期間が10年未満 |
集団 3 | 過負荷の読み取り値が少なくとも1回あった教室で教えたことがない教師、雇用期間が10年超 |
集団 4 | 過負荷の読み取り値が少なくとも1回あった教室で教えたことがある教師 |
集団 5 | 過負荷の読み取り値が少なくとも1回あった教室で教えたことがある教師、雇用期間が10年未満 |
集団 6 | 過負荷の読み取り値が少なくとも1回あった教室で教えたことがある教師、雇用期間が10年超 |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 137 |
1576教師‐年
1988-2005年に雇用された教師137人のうち16人が、18のがんと診断された。がん全体についての相対リスクは2.78、悪性黒色腫については9.8であった。甲状腺がんについての相対リスクは13.4、子宮がんについては9.2であった。60Hz磁界とがん発生率との関連は認められなかった。新たなばく露尺度はがん発生率との正の相関を示した。
著者らは、この学校の教師のがん発生率は異常に高く、高周波電圧トランジェントと強く関連していると結論付けた。
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