この研究は、N-ニトロソメチル尿素誘発性の乳腺発がんへの光照射の影響の調査において、N-ニトロソメチル尿素投与に磁界(変動または一定)ばく露を加えたがんの誘発の場合の光放射の影響を調べた。(1)通常の光条件(12時間の明期、12時間の暗期)の光照射の場合、N-ニトロソメチル尿素誘発性のラット乳腺の腺がん発生率は31%であったが、交番磁界ばく露を追加した場合、N-ニトロソメチル尿素のみを投与した群と比較して、乳腺の腺がんの発生潜伏期は短くなった。(2) 24時間連続の光照射は発がんを刺激した。24時間連続の光照射の場合、N-ニトロソメチル尿素のみ、N-ニトロソメチル尿素+変動磁界の組み合わせ、N-ニトロソメチル尿素+一定磁界の組み合わせにおける発がん率は、それぞれ57、81および61%であったが、発生潜伏期は、通常の光条件のものと変わらなかった。(3) 暗期のみを保つと、乳腺の発がんは抑制され、上記と同様の誘発条件での発がん率は、それぞれ3、4および2%であった、などの知見を報告している。
異なる照明のレジームと組合せた電磁界が、雌のラットの腫瘍の成長に及ぼす影響を調査すること。発がん化学物質のN-ニトロソメチルウレア(NMU)の静脈内投与によって乳がん(即ち腺がん)を誘導した。更に、メラトニンとプロラクチンの血液濃度を判定した。
異なる2つの実験を実施した。
実験1):動物を異なる3つの照明レジーム(通常の照明、12時間点灯/12時間消灯;24時間消灯;24時間点灯)にばく露した。これらの照明レジームへの2週間の順化後、動物に発がん化学物質NMU(50mg/kg)を3回、1週間おきに投与した。最初のNMU注射の2日後から磁界ばく露(変動または定常)を開始した。動物は3時間/日、15か月間ばく露された。但し、メラトニン及びプロラクチンのレベルを判定するため、4週間の磁界ばく露後に血液サンプルを採取した。
実験2):動物を通常の照明レジーム(12時間点灯/12時間消灯)に維持した。動物の一部を両方の眼球摘出により盲化させた。2週後、単用量のNMU(50mg/kg)を投与した。腫瘍の分類のため、ラットを剖検し、組織学的に検査した。
周波数 |
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タイプ |
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ばく露時間 | 3 h/day for up to 15 months |
ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁界強度 | 300 A/m | - | 測定値 | - | - |
通常の照明レジームと変動磁界の組合せは、対照群と比較して、より早期の線腫の成長につながる。但し、連続的な点灯は発がんを遥かに強く刺激したが、連続的な消灯は発がんを阻害した。連続的な点灯はメラトニンのレベル低下とプロラクチンのレベル上昇につながる。盲化されたラットでは乳腺の腺がんがより少なく、目が見えるラットよりも予想寿命が伸びることを示した。
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