Gタンパク質共役受容体(GPCR)セロトニン5-HT1B受容体の結合特性が、ラット脳膜にAC(50Hz、400Hz)およびDC磁界(MF)をばく露する条件下で調査された。これは、Massot等の陽性結果を複製する試みであった。[3H]5-HTを使用した飽和実験において、1.1mTrms50Hzでの1時間ばく露は、KDとBmaxの結合パラメーターにおいて統計的に有意な増加を引き起こしたが、これはそれぞれ、1.74±0.3nMから4.51±0.86nMまでと、1428±205CPMから2137±339CPMまでが対応し、以前の研究結果と非常によく一致している。400Hz0.675mTrmsでの膜へのばく露は、かなり大きな誘導電流密度であるにもかかわらず、KDにおいて大きな増加は引き起こさなかった。DC場(静磁界)(1.1mTと11mT)は、低値のKDshamでのAC場(変動磁界)に比べてより少ない影響があったが、高値のKDshamで親和性を減少させた。拡張された三重複合モデルを使った受容体-リガンド-Gタンパク質の相互作用のモデリングは、我々のすべてのデータとMassot等のデータに対して良好な適合を生じ、リガンド-受容体の親和性を変えるためにGタンパク質の能力を減少させることによって、AC場(交流磁界)が作用する可能性を示している。その仮説は、AC場の2極の性質が、ACおよびDCばく露で観察された効果の異なる性質を説明している。これらの研究結果は、mT帯域におけるDC磁界および超低周波数(ELF)AC磁界の無細胞効果の証拠について2、3文書化されたものの1 つである。
本研究は、50Hz磁界ばく露(0.6mT以上)が、ラットの脳膜における5-HT1Bセロトニン作動性受容体の親和性の可逆的な減少を生じることを示した、初期の陽性の知見(publication 3968 参照)の再現を試みたものである。
本調査では、5-HT1B受容体の親和性を、飽和結合技法を用いて測定した。著者らはまず、放射性[³H]5-HTを用いて、50Hz磁界ばく露が受容体の親和性を低下させることを確認することを試みた。次に、影響の誘出における誘導電流及び静磁界の役割を判定した。
5-HT1B受容体は主要なシナプス前セロトニン作動性受容体であり、セロトニン及びその他の神経伝達物質の放出を制御している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 60 min |
Additional information | Vertical magnetic field |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | 96 well plates containing the rat brain membranes were located inside each set of coils. Sham exposure took place at the same location for the same amount of time but the coils were not activated. |
Additional information | The magnetic field uniformity was within 2% over 20 x 20 cm² area. |
先行研究の再現は成功し、同じばく露装置を用いた2つの研究室で、1mT付近での結合パラメータKD(平衡解離定数)及びBmax(結合部位の総数/放射性リガンドの最大結合)の両方において、同様の増加が認められた。
400Hz(0.675mT)での膜のばく露は、誘導電流密度がより大きいにもかかわらず、KDのより大きな増加を生じなかった。
DC磁界(1.1及び11mT)ばく露は、KD及びBmaxに大幅な増加を生じなかった。
受容体‐リガンド‐Gタンパク質の相互作用のモデリングは、全てのデータ及び先行研究のデータと良くフィットし、Gタンパク質がリガンド‐受容体の親和性を変化させる能力を低下させることでAC磁界が作用する、ということを示している。この仮説は、AC磁界の両極端の特徴が、AC及びDCばく露で観察された影響の特徴の違いを説明する、というものである。
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