この研究は、シュヴァルツェンブルクにおいて、健康苦情と短波送信機の周辺地域に居住することとの関連性を調べ、磁界ばく露と睡眠障害との関係の証拠を探求した。1992年から1998年の間に、シュヴァルツェンブルク地域で2つの横断調査と2つのパネル調査を実施した。それぞれの横断調査で、ばく露レベルが異なる地域に居住する約400人の成人に、睡眠障害を含む身体的および精神–自律神経性症状、それから種々の可能性のある交絡要因について質問した。ばく露は、56か所で実施された2621件の磁界強度測定値に基づき推定された。パネル調査は、送信機からの送信が中断している時、または完全に停止している時にそれぞれ実施され、睡眠の質とメラトニンの排泄が調査された。その結果、どちらの調査でも、高周波電磁界ばく露(RF-EMF)の増加に伴い、入眠および睡眠維持の困難さの有病率が増加した;ばく露の中断後、睡眠の質が改善した;RF-EMFばく露後のメラトニン排泄の慢性的な変化は見られなかった、と報告している。
スイスのシュヴァルツェンブルク地域において、2つの横断的研究及び2つのパネル研究を実施した。各横断的研究では、送信装置から異なる距離に住む約400人の成人に、睡眠障害を含む身体症状及び心理‐自律神経症状について尋ねた。パネル研究では、当該送信装置の停止の前後の期間で比較するため、65人及び54人のメラトニン分泌を測定し、日誌によって睡眠の質を評価した。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | ゾーンC:送信装置から3000-5000m、1-2mA/m、中央値1mA/m:非ばく露 |
集団 2 | ゾーンA:送信装置から900mまで、14-41mA/m、中央値28mA/m:ばく露 |
集団 3 | ゾーンB:送信装置から900-1500m、3-37mA/m、中央値21mA/m:ばく露 |
集団 4 | ゾーンR:リュエッギスベルク、≤ 10mA/m:ばく露 |
タイプ | 値 |
---|---|
参加者 | 804 |
両方の横断的研究では、入眠及び睡眠維持の困難の罹患率は、無線周波電磁界ばく露の増加と共に増加した。睡眠の質は送信装置の停止後に改善した。メラトニン分泌の慢性的な変化は認められなかった。
著者らは、本研究の結果は短波放送送信装置の運転と周辺住民の睡眠障害との因果関係の強い証拠を示すものであるが、生物学的影響と心理学的影響を区別するには証拠は不十分である、と結論付けた。
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