この研究は、1 mT、50 Hzの正弦波の24〜72時間のばく露が、発がんウイルスに与える影響を調べた。実験対象としたのは、BCBL-1(潜伏感染した原発性膿胸リンパ腫細胞株)内のカポジ肉腫(KS)関連ヘルペスウイルス(KSHV:別名ヒトヘルペスウイルス8型)である。結果として、 ELF-EMFばく露は、TPA刺激の有無に拘らず、BCBL-1細胞の増殖および生存率に影響を与えなかった;TPA刺激なしの場合、ELF-EMFばく露細胞で検出されたKSHV DNAの総量は、無ばく露対照のそれと差がなかった;TPA刺激ありの場合、72時間のELF-EMFばく露細胞での総KSHV DNA含有量は、対照細胞に比べ多かったが、それより短いばく露時間ではそのような差は見られなかった;ウイルスDNAの増加は、溶解性抗原gp K8.1A/Bの平均蛍光強度/細胞の上昇と有意に相関したが、gp K8.1A/B陽性細胞の割合またはビリオン含有細胞の割合とは相関しなかった;ELF-EMFばく露下で生まれたウイルスの子孫は、主に欠陥のあるウイルス粒子で構成されていた、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
波形 |
|
ばく露時間 | continuous for 24, 48, or 72 hours |
ばく露の発生源/構造 | |
---|---|
チャンバの詳細 | The sample holder consisted of two concentric containers with the inter-space filled with temperature controlled water at 37°C. The cells were placed in a 25 cc Corning flask with 4.8 x 5.2 cm base sides. |
Additional information | The magnetic flux was perpendicular to the sample. The field was homogeneous to within ±2.5% of the value at the center of the cylindrical exposure volume (11 x 17 cm). |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
磁束密度 | 1 mT | effective value | 測定値 | - | - |
超低周波電磁界ばく露は、TPA刺激の有無のどちらについても、BCBL-1細胞の成長及び生存能力に影響しなかった。
電磁界ばく露した培地(TPA刺激なし)で検出されたKSHVのDNAの総量には、非ばく露対照群との差はなかった。但し、TPA刺激ありの場合、KSHVのDNA総量は、電磁界ばく露した細胞培地では対照群と比較して、72時間ばく露で多かったが、それ以前は多くなかった。つまり、KSHVのDNA合成の刺激に対して、超低周波電磁界ばく露はTPAと相乗効果を生じた。
ウィルスのDNA増加は、溶解性抗原gp K8.1A/Bに対する平均蛍光強度と有意に相関しているが、gp K8.1A/B陽性細胞の割合またはウィルス粒子を含む細胞の割合とは相関していない。電磁界ばく露下で産出されたウィルスの子孫は主に、欠損ウィルス粒子で構成された。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。